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高校時代に三島美学といわれるものに取りつかれたように、自分の「死」というものを考えてみたことがある。それはいかに生きるかと言うよりも、いかに死ぬのかというものであった。その後時々は考えてみたこともあったが、所帯を持ってからはいかに生きていくかを考えていた。それは自分としては進化だったと思う。しかし、親が亡くなったときから、死というものの恐怖感はなくなり、むしろ憧れの様なものになって来た時期もあった。
 先だってのオウム事件の13人の死刑について、また改めて考えてみた。彼らは何年も前に死刑を宣告され、そしてある日突然に、体の状態は悪くもないのに、犯罪者として死につくのである。
 彼らは、その時何を考えていたのであろうか?楽しかった青春時代か、犯罪を犯していた時の自分の姿か、それとも自分を死に追いやった世間に対する恨みか?
 人は必ず死ぬ。そしてそのときはどんなことを感がえるのだろうか。自分の場合はどうだろうか?と思い、改めて命の大切さを確認するのである。
 
      義兄の一周忌の法事の翌日にて
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秋の運動会酣である。運動会と言えば、どうしても連想するのはみかんである。私の小・中学校時代は昼の弁当は、海苔巻きと稲荷寿司(当時は巾着寿司と言った)が定番であり、旨く行けば梨かリンゴが付く程度であった。しかし、クラスの中の所謂ハイカラな子、すなわち裕福な家庭の子はみかんを持ってきていた。この季節ゆえ、真っ青なみかんである。私はあれが食べてみたかったが、親にねだるのは身分相応でないような気がして遠慮していたものである。自分の子供の運動会にはぜひともこのみかんをとも思ったが、これもなんとなく遠慮していたこともある。言わばこの青いみかんは私のコンプレックスのようなものであった。
 それが昨日、倅が青いみかんを袋詰めで購入してきた。なんだか不思議な感じがしたものである。何十年前にほしかった物が目の前にあるのである。これも時代の流れか。
~朝の4時頃  から弁当下げて 家を出ていく 親父の姿
 パンツはぼろぼろ  中身が見える  ああああ  哀れな親父の姿~

中津川の笠木透(故人)が率いるフォークグループ我夢土下座(カムトゲザ―と読む)の昭和のコミックソングである。
 これを聞いたとき、笑っていた同じフォーク仲間もいたが、私にはどうしても笑えなかった。もちろん歌詞はオーバーな表現であるが、私の親父とかぶったからである。
 親父は戦争に参加、終戦後市内で職人として汚れた作業着を着、汚れた手をしていた。しかし私はそれが職人と言うものであり、むしろ誇りのように思えた。
 テレビドラマの中で、スーツにネクタイ、朝、「行って来ます。」と言う様な人ではなかった。仕事を終えた後、ビールを飲み、家族団欒。休みは家族と出かけるというタイプであり。ゴルフ、パチンコ、いい服装とは無縁の人であった。もちろん自分一人で遊びに行くこともなかった。

 いま、自分はそんな人になっている。良いか悪いかの話でない。
先週、あるスーパーから電話があった。それによると配偶者がそのスーパーでフルーツゼリーを3個購入した。価格は一つ158円。しかし、実際は138円だったという。その間違いの謝罪と、差額分をカードのなかに返金するという話だった。
 高々20円×3である。ほっておいても解らない金額であり、処理する手間もかかる。しかし、この対応は私を嬉しくさせた。丁寧な処置に感心するばかりである。商売をするということは、実直であることである。
もうずいぶん昔になるが、司馬遼太郎の「竜馬が行く」の禁門の変の当たりを読んでいた。長州の来島又兵衛が御所に突入し、馬上で指揮中鉄砲で撃たれ、落馬、そして槍で突かれ、その槍が腹部貫通し死ぬという内容だった。あまりにも衝撃な内容であり、その部分が記憶に残っていた。それから数日後、夢の中でなぜか私は来島又兵衛になっていたのである。馬上にいるところ狙撃され落馬、そして反値側に槍先が抜けるほどの貫通される。夢の中であるが不思議な痛みが残り、夜中に間が覚めた。その時点で自分は来島又兵衛だったと気づく。自分でも面白い夢だったと思いながらなぜか冷や汗。
 先々週の「西郷どん」はこの禁門の変であった。来島又兵衛役はプロレスラーの長州力。どんな死に方かを興味持ってみるが、鉄砲で狙撃されあっけなく最後。あまりにもあっけなさにちょっと残念。また、その日の番組では「池田屋騒動」もやっていたが、数秒の間。欲を言えばもう少し見所がほしかった。夢の再来を期待したのだが・・・・。
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